日時:2018年8月24日(金)14:00-17:00(延長する可能性があります)
場所:関西学院大学上ヶ原キャンパス ハミル館ホール
話題提供者:井関龍太先生(大正大学 講師)
テーマ:線形混合効果モデルの展開
企画概要:第4回CAPS統計ワークショップでは,近年,実験心理学において用いられることが増えてきた一般(化)線形混合効果モデル(マルチレベル分析とも呼ばれます)の現状と利用について紹介していただきます。一般(化)線形混合効果モデルでは,変量効果として参加者や刺激を扱うことで,従来は個々に分析していたF1, F2の分散分析を1回の分析で実行できるなど,様々なメリットがある手法です。詳しくは以下の村山(2017)を参考にされてください。
報告:混合効果モデルとは固定変数とランダム変数の両者を明示的に扱える分析手法であり,マルチレベルモデルとも呼ばれる。さらに,一般化することによって様々な分布を扱うことができる。混合効果モデルの利点として,誤差の分布が非独立の場合(例えば,同一の参加者が複数の反応を行う場合,複数の刺激が持ち至れる場合など)に,非独立性を考慮することによって,Type I error率の増加を防ぐことができるという点がある。本WSでは,実際の実験データをサンプルとして,反応時間に対する混合効果モデルや正答率に対する(一般化)混合効果モデルの実習を行いながら,説明が行われた。また,モデルが収束しない場合の対応方法も紹介された。
本WSでは,実験心理学での代表的な従属変数である反応時間と正答率を対象とし,実践形式での実習を通して,混合効果モデルの説明が行われた。参加者各自の実験データへの適用しやすいレクチャーであり,今後の活用が期待される。フロアとの質疑も活発であり,盛会にて終了した。